野球が魅力のあるスポーツだと思ってもらいたい
日本プロ野球OBクラブ(公益社団法人全国野球振興会)
事業部
松崎 義明さん
「スポーツに関わる仕事」を憧れではなく天職にしませんか? パシフィックリーグマーケティングが運営するスポーツ業界専門の転職エージェントサービス「PLMキャリア」を通じて転職された方に、転職のきっかけや仕事の魅力をうかがいました。
目次
毎年10,000人以上の野球少年・少女が参加する“あの”イベントの仕掛け人
昨今の野球界では、競技人口の減少が問題視されている。次世代を担う若年層の「野球離れ」に歯止めをかけるべく、約1,300名のプロ野球OBが入会している「日本プロ野球OBクラブ」では、野球振興に努めている。同団体の事業部で働く松崎義明さんの仕事は、野球教室や講演会といったイベントの企画・運営だ。
日本プロ野球OBクラブの一大イベントは「全国少年少女野球教室」。団体設立当初から47都道府県で開催し、今年で30回目を迎えた。大規模な事業であるだけに、会場の調整や各自治体との連携など、OB会員の協力を得ながら半年以上の時間をかけて準備を進める。その分、参加者の笑顔から得られる喜びも大きい。
「野球教室のときに現地の方々に喜んでもらえる。そういう姿がダイレクトで伝わってくるのはやりがいを感じます。最初は子どもたちも保護者の方々も緊張していて“お客様感”が出てしまっていますが、例えば野球教室を3時間やったとしたら、その3時間が終わった後には、講師のOBの方と仲良くコミュニケーションを取れる状態になっています。そういう場面を見ると、この活動を行う意味があるなと実感しますね」
全国47都道府県では抱えている課題がそれぞれ異なる。現地で各自治体の声 を聞き、意見交換することによって、有意義なイベント運営が実現される。
「各地域で困っていることや 『こういうことをしたい』という要望があるので、そこをヒアリングして、うまく形にできないかと考えています。我々事務局の中だけで 『こうじゃないかな』と考えているものと、実際の現場で思っているものは違うこともあります。全国各地で自治体の方々とお話することにより、実情が見えてきて今後の活動に生きるものもありますし、団体内だけでなく外部とのコミュニケーションも大事にしています」
一般企業・独立リーグ球団での経験が、団体が求める人材像にマッチ
松崎さんは、大学卒業後に就職したラジオ局で番組制作を担当。野球中継にも携わったことがスポーツ業界に興味を持つきっかけになったそうだ。その後、BCリーグ・茨城アストロプラネッツの球団職員となり、球団運営・試合興行に従事した。
「茨城県内で試合を行うのはもちろん、独立リーグ球団には地域貢献や地元への還元という要素もあります。そういったことに取り組むなかで、自分自身満足はしていましたが、もっと全国各地でできるような仕事がいいなと思い始めました」
そうして転職活動を開始した松崎さん。「掲載されている求人がスポーツに特化しているので、自分の転職の軸がブレないだろう」とPLMキャリアに登録した。そしてちょうど同時期に、日本プロ野球OBクラブからも「採用活動をしたい」とPLMキャリア宛てに問い合わせが寄せられていたのだ。一般企業での経験に加え、BCリーグ球団で野球の現場を見てきた松崎さんは、まさに団体が求める人材だった。
「今までのバックグラウンドと、企業側が求めている人材とのマッチングをしてもらい、本当にタイミングがよかったというかご縁がありましたね。光が当たるところには必ず影があって、その影にあたるところを経験してきたので、現在ギャップを感じることなく働けています」
スポーツへの熱意があるからこそ、理想と現実とのギャップに悩まされてしまうもの。「スポーツ業界を盛り上げたいという気持ちを持ちながら、冷静に物事を見ることが大事」と松崎さん。そして、「スポーツ業界で働くという選択肢は世の中でも広がってきているので、その夢を諦めてきたり、難しいと思っていたりする方へのチャンスも増えていると思います」と続けた。
とはいえ、転職は勇気がいること。松崎さんも「当時は非常に悩みましたよ」と話す。では、今スポーツ業界への転職を悩んでいる人にアドバイスするとしたら?
「表に出ている情報は限られていると思いますけど、なんとなくではなく、転職サイトをしっかりチェックしたり、キャリアアドバイザーの方とコミュニケーションを取ったりして、ある程度イメージを持つのがいいかなと。それでもしダメだったとしても、いろいろな情報を取り込んだ末の結果だと納得はできるし、次に切り替えられると思うんですよ。やっぱり人生一回しかないので、一歩踏み出してみてほしいです」
最後に、スポーツ業界に飛び込んだ松崎さんが今後挑戦したいことを聞いた。
「野球人口が減っている時代なので、それに歯止めをかけるっていうのはなかなか難しいのかもしれないですけど、野球を好きな人が野球を好きなままでいられるような環境があり続けられればいいなと思っています。あとは、野球が魅力のあるスポーツだと思ってもらえるような仕事をしていきたいですね。いろいろな選択肢がある時代なので、野球を知らなかった、あんまり関わらなかったという方に知ってもらったり、触れてもらったりする機会を作っていけたらいいなと思います」
インタビュー・文 高橋優奈