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INTERVIEW VoL .5 スポーツの中で具体的に何をしたいのかを見つけること

ニューヨーク・メッツ インサイド・セールス・マネージャー

Abby Higgins さん


PLMは、マサチューセッツ大学アマースト校 アイゼンバーグ マネジメントスクール内のマーク H.マコーマック スポーツマネジメント学科(The University of Massachusetts Amherst, Isenberg School of Management, Mark H. McCormack Department of Sport Management)とパートナーシップを結んでいます。同学科は、世界で最も歴史のあるスポーツマネジメントプログラムの1つ(世界ランキング1位)を有しており、この分野における権威的な講座として位置付けられています。

世界トップレベルの様々なスポーツビジネスの現場で活躍している同校の卒業生に、キャリアや仕事についてのインタビューを行いました。


―自己紹介をお願いします。

 私はマサチューセッツ州ボストン近郊で育ちました。父がレッドソックスのシーズンチケットホルダーだったので、私は幼少期の多くの時間をフェンウェイパークで過ごしました。それが特にスポーツのキャリアを追求するきっかけとなりました。自分自身がシーズンチケットホルダーになり、幸運にも多くのシーズンチケットホルダーならではの体験をしたことで、それと同じ体験を他の人にも提供したいと思い、チケットセールスの仕事に就きました。UMass McCormack Department of Sport Managementを卒業後、2017年にメッツでキャリアをスタートさせ、現在7シーズン目を迎えています。

 

 

―今の仕事について教えてください。

メッツのインサイド・セールス・マネージャーとして、私はエントリーレベルのセールスチームを統括しています。インサイドセールスは、スポーツ業界の収益を生み出す場で、キャリアをステップアップすることを目的とした、エントリーレベルの育成プログラムです。私の役割は、チームの戦力となる優秀な候補者を採用し、彼らをエリート営業パーソンに育て上げることです。インサイドセールスは、シーズンチケット、グループチケット、プレミアムホスピタリティの販売を担当しますが、チケットだけでなく、「体験」を売ることに重点を置いています。インサイドセールスは例えるなら、マイナーリーグのようなもので、私の目標は、彼らをエリートセールスパーソンに育て上げ、メジャーリーグのようなアカウント・エグゼクティブレベルに昇進させることです。

 

―どうやって現職に辿り着きましたか?

UMass McCormack Department of Sport Management学部の1年生だった時、スポーツ業界の営業サイドのキャリアパスについて知り、これは自分が得意とし、かつ情熱を持って取り組める仕事だと思いました。そのときから卒業生のデータベースを通じてネットワーク構築に励みました。UMassの卒業生で、スポーツセールスのプロと話を通して、2年生の時にマディソン・スクエア・ガーデンでグループ・セールス・インターンとして初めてインターンシップを経験することになりました。翌年の夏には、フィラデルフィアに移り、フィラデルフィア76ersでセールス・インターンを務めました。

UMassを卒業後、New York Metsでインサイドセールスとして働き始め、半年後には新規事業開発チームに昇進しました。そこで私は、ビジネスのリーダーシップ面で成長したいと考え、「Management in Training」プログラムに参加し、セールスをしながらもリーダーとして活躍できるよう鍛えられました。2021年6月、私はインサイドセールスマネージャーに昇格し、全てのインターンシップや今のNew York Metsでの仕事は、全てUMassの卒業生とのネットワークを通じて得たもので、卒業生データベースを通じて貴重な方々と出会うことができたと考えています。

―なぜスポーツの仕事をしたいと思ったのですか?

スポーツファンとして育ったこともあり、スポーツに関わる仕事をしたいと思っていました。しかし、この業界に入ってから、スポーツの世界にも目指すべきキャリアがあることを知り、いつも「仕事」と「キャリア」の違いについて話しています。「仕事」とは、情熱を傾けず、ただお金を稼ぐための手段であり、上昇志向がないものです。一方、「キャリア」には目的があり、成長への道筋があり、そして何より、たくさんの情熱を注げます。スポーツセールスの仕事はまさに「キャリア」であり、自分の頑張りがそのままキャリアアップに繋がり、自分が好きでやっていることなので、とても気に入っています。

 

―スポーツの仕事の魅力は何だと思いますか?

スポーツに関わる仕事はとても刺激的です。スポーツや自分のファンダムほど情熱的なものはありません。情熱的な消費者グループに囲まれていると、毎日仕事に行くのがとても楽しみになります。私たちはビジネスのために仕事をしていますが、いつもフィールドに立ったり、選手に会うなど、素晴らしい経験も出来ます。

 

― スポーツ界で働く難しさはありますか?

スポーツの仕事は、確かに長時間、非日常的な労働時間が時に存在します。一日中働いたり、試合中も働き、時には試合が休日と重なることもあります。また、時にはファンダムが邪魔になることもありますが、それとは距離を置くことが重要です。私たちは勝ち負けに関係なく、ビジネスであることを忘れないようにしないといけません。

 

―スポーツ業界を目指す人へメッセージをお願いします!

私ができる最善のアドバイスは、スポーツの中で具体的に何をしたいのかを見つけることです。スポーツ業界はとても広く、プロスポーツのフロントオフィスはさまざまな部署から構成されています。採用担当者としては、「スポーツの世界で働きたい」という声をよく聞きますが、私たちは、自分が何をしたいのか、なぜその役割で活躍できるのかをきちんと理解している人を求めています。事業と強化は全く違うので、スポーツの面接や業界に入るには、職種のターゲットを絞ったアプローチをすることが重要だと思います。自分が何をしたいのかを知るには、現役の業界で働く人たちに話を聞くのが一番です。その中で、自分の好きなこと、嫌いなことを見つけてください。

 

インタビュー&翻訳:中村武彦(PLMキャリア スペシャルキャリアアドバイザー)

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