INSIDE STORY VoL .18 ファンの喜びがモチベーション。それは場所が変わっても変わらない

東京八王子ビートレインズ MD/ファンクラブ/チケット担当 高山 将さん
BASKETBALL

東京八王子ビートレインズ MD/ファンクラブ/チケット担当

「スポーツに関わる仕事」と一口に言っても、多種多様だ。今回は、パシフィックリーグマーケティング株式会社が運営するスポーツ業界専門の転職エージェントサービス「PLMキャリア」を通じて転職された方にインタビュー。転職のきっかけや仕事の魅力を紹介していく。 

 


ファンの熱狂が選手の輝きになる


 

プロスポーツとエンターテインメントは似ている。いや、興行と考えれば同じではないだろうか。野球のスタジアム、バスケットボールのアリーナ、ライブなどのステージ。いずれにしても集った観客を自らのパフォーマンスで魅了し、熱狂させるということに変わりはない。これを演出し、支え、より多くの感動を生み出すスタッフの存在も共通といえる。高山さんは、もともとタレント、歌手が多数所属する大手芸能事務所のグループ会社で、グッズの企画・販売や、イベント企画・運営に携わっていた。その経験やスキルはプロスポーツチームにおいてどのように生かされ、また、新しい価値や働きがいとなっているのだろうか? まず、現在の仕事内容について聞いていこう。

「今も基本的な仕事内容は変わりません。グッズやイベントの企画・制作、ファンクラブの運営などを担当しています。加えてチケットの販売にかかわる仕事もあります。グッズに関してはアイデア出しからデザイナーや発注先の選定、在庫管理まで一貫して行い、ファンクラブは、どのような特典をどのような金額で提供するかということから、ファンクラブ向けのイベント、会員管理まで、チケットでは席種の決定から販売管理までを行います」

 

かなり多岐にわたる業務を担い、日々考えること、動かなければいけないことの連続だが、モチベーションは高い。

 

「主役は選手とチーム。そこに向けて、詳しく知らない方でも応援してもらえるようにという発想で、グッズをつくり、イベントなどの施策を進めています。お客様に応援してもらえる。お客様が喜んでくれる顔を見られる。そして、それを感じて選手が喜んでくれること。これが目指すところです」

 

たくさんの観客がアリーナに集い、グッズによって一体となる。その中で活躍するという喜びが選手とチームを強くし、観客は次第に選手とチームに魅せられるファンになっていく。この好循環を生みだすために、まずは日々の仕事からその種を植え、育てていく。


「最近の取り組みなのですが、地域のコーヒーショップさんがスポンサーとなって選手とのコラボレーションコーヒーを販売しました。スポンサーさんに喜んでいただけたのはうれしかったですし、選手がノリノリでやってくれたこともうれしかったですね」

アリーナに足を運び、我がことのようにチームと一体となって応援してくれる。そんなファンやスポンサーを、選手、スタッフが足並みを揃えて獲得していく。

「同じBリーグでもB1だとメディアに出る機会も多いでしょう。B3でも選手を表に出す後押しをしたい。それがバスケット業界全体としてもいいことだと思うんです。逆に、B3である私たちはファンの方と近いところにある。私は別の業界から入ったので、選手とファン、選手とスタッフの距離感というのはどこまでやっていいのかという戸惑いがあったのですが、現在はコミュニケーションがとりやすく、選手の価値を高められています」

 

業務内容としては、前職のエンターテイメント業界のものとあまり変わらないが、タレントの知名度やイベントの規模、ファンクラブの会員数、そしてファンとの距離感などは大きく違うのだろう。それぞれの利点やリスク、踏み込むポイントを見極めるなど、経験を生かしながら、違う業界であることも考える。他に前職の経験が生かせる、いや、生かさなければいけないと思うこともあるようだ。

 

「例えばグッズの在庫管理など、細かいところをしっかりやっていないと、運営自体もうまくいかないと思っています。プロのスポーツチームとして、選手を売り出し、魅力的な企画を出すということ以前に、こういうところで立ち止まっていてはいけません。この点は前の会社はかなり厳しく取り組んでいました」

 

2020年3月にジョインしてから、経験が生かせること、マインドを変えないとできないことなどを探りながらの1年。環境も決して整っていたわけではなかった。まだリーグ戦も開幕していなかった。それをポジティブに捉えてできることを一つずつ。

 

「チームの運営体制が変わり、新型コロナウィルスの影響もありました。オフシーズンのイベントもできないなど確かに動きは取りづらかったです。そこでLINEスタンプの制作やECサイトの充実、オンラインでのファンクラブイベントの実施など、今だからこそできるネット上でのイベントなどを行うことができたのは、良かったのかなと思います」

 


「不安」は可能性であり伸びしろでもある


 


それにしても著名なタレントにかかわる仕事から転職に踏み切った理由は何だったのだろうか。


「働いて2、3年目のころ、友人にBリーグに連れていかれました。そこでスポーツとしての魅力はもちろんなのですが、ハーフタイムのイベントなどエンターテイメントとしても魅力的だと感じました。会場全体の一体感も印象的でした。それでBリーグで働きたいと思うようになって、PLMキャリアと接点を持ちました。そこで自分のできることと、募集しているタイミングとがちょうどあったのがこのチームでした」

 

スポーツの魅力とともに、エンターテイメントとしての魅力がある。業務内容においてそのまま前職でのスキルや経験が活かせるということはもちろん、これも高山さんを引きつけた理由だった。

 

「もともと野球をやっていて、メジャーリーグなどで球場内だけではなく、周辺も併せてボールパークとしている取り組みが面白いなと思っていました。Bリーグでのアリーナの中と外でそれを感じてハマりました。理想とするスポーツの姿だなと。そして、まだ立ち上がったばかり。これからということはベースができていない。それも魅力でした」

 

リーグとともに、チームとともに挑戦していく。この言葉は美しいが、裏返せば先がどうなるのかわからないということでもある。それでも高山さんは、不安よりも自分の新たな可能性を見出していた

 

「前職ではありがたいことにタレントの力がすごく強く、かなり多くのお客さまに来ていただける環境が整っていました。当然自分なりの工夫はしていたのですが、自分自身で目標を立てるのが難しかった。確かに不安はありましたけれど、それ以上に自分でなにかを創っていけるところでやってみたかったんです」

 

不安を上回る、自分の可能性への挑戦。それはプロとしてこのカテゴリーから挑戦していく選手たちも同じなのかもしれない。ともに今よりも、もっと前へ、上へ。

 

「グッズで言えば、どこまで売れるのか、刺さるものを提供できるのか。グッズに興味を持っていただいて、買ってもらうことで習慣の流れが作れたらと思っています。前職だとツアーごとなど短い周期で新しいアイデアのグッズを投入できたのですが、こちらのシーズンは長いです。グッズに変化をつけていくのはもちろん、チケット販売と連動して、新しいお客様も呼び込む。もちろん、やれることやれないことはあるので、現実的なことを踏まえながらも、周りのスタッフと助け合いながらできることをやっていきたいと思います」

 

アリーナの一体感を作るためにグッズは不可欠。そしてグッズはアリーナの外に出て、家にいるとき、地域にいるときにも、ロイヤリティを高めてくれる。その期待感の中で選手たちは輝き、その輝きでファンはまたグッズに魅力を感じ購入する。それがチーム経営にも波及する。グッズ一つだけでも好循環が生まれる。高山さんは培ってきた経験を、新たな場所で、また新たな形で開花させる。最後に、この業界を目指そうとする人へのアドバイス。


「お客様に楽しんでもらうのが好きな人、ファンが喜んでいる姿を見て頑張れる人がいいですね。時間がない中で、やらなければいけないこと、やりたいことが山積みになります。それでも自分たちが作ったグッズを持って応援してくれるファンがいて、プレーを見て喜んでくれる姿を見たら…。それがなければ続けられません。これに加えて、外からの、別の業界から目線を持ち込んでほしい。まだBリーグは成熟していないところも多いので、違う目線が必要だと感じています」

 

♢PLMキャリアの詳細はこちらからご覧いただけます。

https://career.pacificleague.jp/

 

文・岩瀬大二

 

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