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INTERVIEW VoL .2 イングランドサッカー協会 ライセンシング・パートナーシップ・マネジャー

イングランドサッカー協会 ライセンシング・パートナーシップ・マネジャー

マイケル・リーズさん


PLMは、マサチューセッツ大学アマースト校 アイゼンバーグ マネジメントスクール内のマーク H.マコーマック スポーツマネジメント学科(The University of Massachusetts Amherst, Isenberg School of Management, Mark H. McCormack Department of Sport Management)とパートナーシップを結んでいます。同学科は、世界で最も歴史のあるスポーツマネジメントプログラムの1つ(世界ランキング1位)を有しており、この分野における権威的な講座として位置付けられています。

世界トップレベルの様々なスポーツビジネスの現場で活躍している同校の卒業生に、キャリアや仕事についてのインタビューを行いました。


 

―自己紹介をお願いします。

ロンドンの南東に位置する「イングランドの庭園」と言われるケント出身です。家族旅行、友達と週末にどこかに行く、もしくは中米をバックパッカーとして回るなど昔から旅をすることが好きで、自分のことを振り返ったり、考えをまとめるのに異国な環境に身を置くことが性に合っていました。ここまでイングランド、アメリカ、そしてスペインで働きましたが、再びロンドンに戻ってくることになり、それを満喫しています!

 

―今のお仕事について教えてください。

現在はイングランドサッカー協会にてライセンシング・パートナーシップ・マネジャーの任に就いています。既存のライセンシーとの関係を維持したり、新しいライセンシー機会をデジタルも含めて探しています。過去4年間のサッカーイングランド代表の活躍のおかげで、イングランドのブランド力(厳密にはイングランドの紋章)への需要はとても高まってきました。レトロシャツだったり、一般的なノベルティ、はたまたゲーム関連商品など我々とライセンシング契約を結びたい、という問い合わせが絶えません。私の仕事の大部分は既存のライセンシーたちが契約を最大限に活用できるように良好な関係を構築することです。同時に、小売店や我々のeコマースを手がけているFanatics社との関係も構築することで、我々のライセンシーたちの商品がしっかりと市場に流通されるようにしています。現在は、年末に向けてライセンシーたちとの契約更新に多くの時間を割き、契約満了の半年前までには更新に合意できるように動いています。

他には、ナイキに代表される大型パートナーたちのライツとライセンシーたちのライツが抵触しないように気をつけています。例えば、あるブランドがパフォーマンスアパレルのライツが欲しいと打診をしてきたとしたら、それはコアパートナーであるナイキがそれを独占的に保有していますので断らなくてはなりません。他の大きなパートナーとしてはEAスポーツ、コナミ、パニーニ、エルムズなどが挙げられます。

 

―どうやって現職に辿り着きましたか?

スポーツライセンシングキャリアをハイプロ・インターナショナルという会社で開始しました。この会社は、様々なカテゴリのマーチャンダイズを複数の大型ブランド(イングランドサッカー協会、FCバルセロナ、チェルシーFC、欧州選手権2016、ラグビーワールドカップ2015など)のために取り扱っていました。

数年経過したとき、スペイン・マドリーの大学にて3年目を迎えており、また海外に旅立ちたい気持ちが湧いてきた中でスポーツマネジメント修士課程の権威であるマサチューセッツ州立大学アマースト校(UMass)に出願しようと決めたのでした。UMassでの一年はとても有意義なもので、スポーツビジネスに対して心機一転することができました。同時に、スパルタンレースのマーチャンダイジングの国際部を立ち上げているUMassの卒業生であるマイク・ルナルデリと出会うことになりました。これがきっかけで、スパルタンレースで約4年間働くこととなりました。最初はボストンオフィスで勤務し、その後はイングランドにあるオフィスでの勤務、ここを退職したのはつい最近の話です。コロナ禍のせいでここ数年は色々と活動が停止になったものの、スパルタンレースはオンラインレースなどに切り替えることでそのオンラインeコマースは調子を落とさずにすみました。私にとってここでの経験は一生の宝物と言えます。

そしてつい最近、イングランドサッカー協会にて、ウェンブリースタジアムの中でライセンシング・パートナーシップ・マネジャーの仕事をスタートしました。イングランドサッカー協会とは私がハイプロ・インターナショナル勤務時代からの付き合いであり、退職後も良好な関係を維持することに努めてきました。ちょうどこのポジションの募集をLinkedInで見つけ、何度かの面接を経て、このポジションを手にすることができたのでした。

 

―ここまでのキャリアパスで何かユニークなエピソードはありますか?

ハイプロ・インターナショナル時代には仕事でミュンヘンで開催されたISPOや、スイスにあるUEFA本部、マルセイユで開催された欧州選手権2016のイングランド戦に赴くことができました。スパルタンレース勤務時代は、同社初の世界選手権開催に際して米ネバダ州・タホ湖へ。そこで巨大なリテールアクティベーションを設営し、週末だけで約50万ドルもの売上を上げることができました。これらを通して共通して学んだことは、チームそして上司と確固たる信頼関係を築くことで、プロジェクトをリードしたり、皆を代表して商談に出かけられるようになることだと学びました。

 

―なぜスポーツの仕事をしたいと思いましたか?

幼い頃からスポーツを楽しんできましたし、スポーツを観戦することも大好きでした。個人的にはスポーツをライブ観戦することに勝る体験はないと思います。同時に幼少期からナイキ、アディダス、リーボックなどのようにスポーツウェアがカルチャーを醸成していくことにも大きな興味を持ちました。大学卒業を控えてハイプロ・インターナショナルの求人を見た時、「これだ」と確信したのでした。

実は、地元のケントでスポーツ・フェスというイベントを共同で立ち上げたことがありました。これは8月の下旬、3日間にわたる休日に開催をするチャリティイベントでした。参加者、観戦者合わせて大体100名ほどの参加者が集まるイベントです。これは私の個人的なパッションと慈善活動を合体させるもので、コロナ禍によるロックダウン中にナショナル・ヘルス・サービスへの寄付金として約1万2000ポンドも寄付金を募ることができ、とても誇らしい気持ちでした。私は自分のブランドも立ち上げたいと考え、友人と一緒に「フォームシェーカー」というプロテインシェーカーもローンチしました。もしスポーツビジネス業界に入りたいと思っているならば、経験と思って自分でそれを実際にやってみる、というのは非常に意味があると思います。

 

―スポーツの仕事の魅力は何ですか?

先ずは文化的に非常に重要な仕事です。そして他の産業とかけ離れて独立したものでもありません。現代における音楽、ファッション、政治、その他多くのものに影響を与えるものです。このように多くのものに影響を与える業界にいることは私にとって大きな魅力です。次にスポーツビジネスはイノベーションの最前線です。NFTを例に取るとわかりやすいと思います。スポーツx NFTは今皆の話題です。これら多くの試みが失敗をしたとしても常に前進しようとしている業界と言えます。最後に上述の通りライブ観戦のすぐ近くにいられることに勝るものはあまりないと思います。

 

―スポーツ界で働く難しさは何ですか?

コロナ禍前のイベントが通常開催されていた時は、イベントに際して早朝から準備を開始して、イベント終了後も遅くまで働かないといけないのは大変でした。今のイングランドサッカー協会での新しい仕事での大変な点はまだ始めたばかりなのでまたの機会に話させてください(笑)

 

―スポーツ業界を目指す人へメッセージをお願いします。

経験を積むために積極的にイベントに参加してください。どのような立場であれ、イベントの大小関係なくボランティアに応募してみてください。私は夏休みを利用してゴルフのザ・オープンや、クリケットのICCチャンピオンズ・トロフィでボランティアをしました。業界の雰囲気を体感したり、関係者と出会う絶好の機会で、ネットワーク構築につながります。スポーツビジネス界は他の業界と違わず、狭い世界です。若いうちから身近で良いのでネットワークを構築し、維持することは大切なことです。最初だけでも「はい、できます」と言えるようにしましょう。どんな仕事にも不満は見せてはいけないですし、特にこの業界に入る時、そしてある程度経験を積んでからも同様に大切な心構えです。最後にグローバルに何が起きているのか常にキャッチアップできるようにいくつかのスポーツビジネス業界のニュースレターに登録することもお勧めします。

 

 

インタビュアー:中村武彦(PLMキャリア スペシャルキャリアアドバイザー)

 

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